「ならいいけど。」 味噌汁をすすりながら、母さんを見た。 さっき動揺を見せただけで、もういつもの母さんになっていた。 ピンポーン 「はぁーい。あ、ほら梨華ちゃん来たわよ。」 「はいはい。」 残り一切れとなった卵焼きを口に放り込み、食べながら席を離れた。 「行ってらっしゃい。気をつけるのよ?」 「ガキじゃないんだから…。」 ソファーに置いておいたスクバを持って、梨華の待つ玄関へと急いだ。