カチャッ… 静かにドアを僅かに開けると、はっきり聞こえてきた。 「…彦く…けて… お願い……。」 「母さん。」 薄暗い部屋の中、ベッドに少しずつ近寄って行った。 「母さん?どうしたの…?」 額にびっしょりと汗をかいて、酷くうなされていた。 「きみ…ひこ…く……けて…。」 きみひこ? 誰?