「 ――…き、柚稀っ!!
  ちょっと聞いてるの? 」

お母さんの声でハッとした。

「 あ、ごめんごめん 」

慌てて、脳内でナレーションをしている自分から、
現実に戻る。

「 お母さんは、先行くけど、
  1人で大丈夫???

  やっぱ、方向音痴の柚じゃ
  迷っちゃうわよ? 」

心配そうに、お母さんが言う。
全く…、