学園を目の前にすると、意気込んでいたあたしの気が少し引ける。
―――まるで、お城のように広い敷地、
"いかにも"というように聳え立っている。
今日から通う、この白桜(はくおう)学園は、
勉強に、運動と、全ての事において優秀な成績を収めていて、
この辺では、有名な黒蘭(こくらん)学園と、
1位2位を争う、知る人ぞ知る超名門校。
そんな名門にあたしがなんで入れたかって?
実は、本当はもっと、マイナーなとこを受けようと思って、
進路希望も出したんだけど、
中学校のときの校長に推薦をもらって
この学園に通える、ということになったわけ。
