「アカリの家族にあいさつ
 してきた。」


サトシの顔を見た。

ほっぺには、うっすらと
赤い殴られたような傷が
あった。


「案の定、コウタクンに
 なぐられたけどな!!」


そう言いながら、サトシは
ほほ笑んだ。


「うわぁ~ん!!!」

「泣くなよ・・・。」


あたしは、一時間ぐらい泣いた。

その間、サトシはずっと
あたしを抱きしめてくれていた。

やっとの思いでなきやんだ。


「あ、そうだ!!」

「ん?」


サトシは、そう言って、
鞄から何かをとりだした。


「はい。
 安産祈願のお守り。」


そう言って、お守りをくれた。

しかも、一つじゃない。

三十個ぐらい・・。


「一晩で、こんなに回ったんだぞ!
 オレ、すごくねぇ?」