「君、名前は?」 「間宮(マミヤ)、咲都です」 「じゃあな、咲都!また会えるといいな!」 大きく手を振る彼に、小さく笑顔で応えた。 そしてお互いに歩き出す。 その後すぐに、彼の名前を聞いていなかったことを思い出して後ろを振り返ったけれど、そこに彼の姿はもう、無かった。 もしかしたら、初めてだったかもしれない。 初対面の人に、また会いたいって、素直に思えたのは──