「神宮はお前の話なんか九割聞き流してっから!こいつ、何も言わねぇけど、内心面倒臭ぇとか余裕で思ってっから!」
「ええっ!?そうだったの、神宮くん!?」
「……煩い重い暑苦しい」
「ほら見ろ!だからさっさと離れろ!」
「涼しい顔してそんな酷いこと言わないでぇ!」
神宮くんに申し訳無いと思いつつも、僕は兵藤くんが抜けて広くなったソファーに腰を下ろした。
僕に兵藤くんの暴走を止められる自信は無い。
兵藤くんのお世話係ではあるけど、お世話をする意欲も気力も、悲しいことにとっくに失せている。
「うぅ、神宮くん、ごめんよ」
「……別に」
漸く兵藤くんが神宮くんから離れ、彰那は安堵の息を漏らしていた。
一体彰那も、何をそこまでアツくなる必要があったんだろう。
「これ、カルピスだよ。よかったら飲んで」
兵藤くんと神宮くん、並んで座る二人の前に、カルピスの入ったコップを差し出す。


