蜜月 -love is ruffian-【BL】



溜め息、聞こえてたのかな。

聞こえてたなら僕の気持ち、察してくれる……よね!?


そう願って彰那の方へ振り向いた。


「そんなにカルピスが飲みたかったら素直に言えよ。ほら、俺のカルピスソーダやるから。咲都は炭酸入りのが好きなんだよな」


彰那がカルピスソーダの缶を二つ持って歩いて来る。

お盆の上に僕の分の缶を置いて、リビングに戻って行った。


──あれ?

そ、それだけ?


その時の彰那の顔がウザいのなんのって。


良いことをしてやったって顔をしていたけれど、肝心の僕にしてみれば、これっぽっちも助かってないから。

寧ろ僕の荷物が増えただけだから。


確かに普通のカルピスよりもソーダのが好きだよ?

幼馴染みだしさ、僕の好みを知ってくれているのはわかるし嬉しいけど……。