「ほら、開いたぞ」
「お邪魔します」
「お邪魔しまーす」
彰那と神宮くん、続いて兵藤くんが部屋へ入って行く。
彰那も兵藤くんも、どこか嬉しそう。
そうなる理由も、わからなくはない。
彰那は僕が部屋に人を連れて来たことが面白くて、兵藤くんは僕の部屋に入れたことが嬉しいんだよね、ストーカーだから。
それに比べ、神宮くんは表情一つ崩さない上に、口を開こうともしない。
神宮くんは、よくわからない人だ。
彰那となんて絶対合わない筈なのに、学校で神宮くんを見掛けると、必ず傍には彰那がいる。
人は見掛けによらず、とはよく言ったものだ。
そんなどうしようもない二人と神宮くんの後に続き、少し遅れて僕も部屋へ入って行った。


