「俺達って運命だと思わない?やっぱり運命なんだよ!あー俺、清泉来てよかったわ、マジで。咲都も嬉しいだろ?また俺と会えて!……ってねぇ、聞いてるー?」


この人、どのタイミングで息継ぎしてるんだろ。

っていうか僕、何してるんだろ。


そうだ。

僕、先生に転校生のお世話頼まれたんだ。

だから今は寮の中を案内してて……。

それで僕の部屋も案内することになって……。


……ん、待てよ。

何で僕の部屋?

いくらお世話係だからって僕の部屋まで教える必要無いよね?


あっ。

彼、転校生を装った新手のストーカーなんだった。


あれ?

じゃあ、どうして僕はストーカーに自分の部屋を教えようとしてるんだろ。


駄目だ。

完全にストーカーのペースに乗せられている。


そう気付いた時には、もう遅かった。


「高槻彰那、間宮咲都……。おっ、咲都の部屋ってここ?」

「えっ、あ、うん」


目の前には、同室の彰那と僕の名前が書かれたネームプレートが。

自室の前に、辿り着いていた。