そして、しばらくあたしたちは放心状態だった。
あたしたちも……、あんなふうに脅されるの?
あんなに追い詰められるの?
いやだよ、そんなの嫌だ。
「じゃぁねー次はだれにしよっかなぁ♪」
委員長も気丈な瞳をしているが内心は怖くて仕方ないだろう。
先生に言っても総理大臣の娘というだけでおとがめはない。
つまり、親の立場で学校での立場、地位、態度。
すべてが決まるのだ。
あたしたちはそれを嫌でも考えさせられた。
「じゃーね、次はあんた♪」
指はあたし……じゃなくてあたしの後ろのメガネをかけていかにも内気そうな女子、
海崎さんに向けられていた。
メガネで小柄。
切れたら、怖いとかいううわさもあるけど……?
「わっ、わたしはっ、蹴られたく、ないですっ」
半分なみだ目で訴えた。
「そっか♪じゃ、おいで!あたしの仲間だよ♪名前は?」
トテトテと福原のほうへ歩いて行く海崎さん。
「海崎 春美……です」
「親は?」
「あのっ、スーパー海崎の社長です」
「ふーん、あたしもよく使うよーあそこ、めっちゃ品揃えよくて好き♪」
「あっ、ありがとう……」
「へへっ、じゃメアドこーかん☆」
「えっ、でもっ、校内ではケータイ禁止じゃ……」
「だーいじょーぶ!!あたしに任せて?」
「う……うん」


