最初は
最初は、福原だけしかやらなかった。
でもあたしたちはあいつの脅しに負けたんだ。
最初はけられていた、東条さん。
東条さんもあまりお金持ちじゃない家でどっちかというと庶民だ。
でも、東条さんはあたしなんかよりずっと強くて。
東条さんはみんなにドンドン入っていった。
庶民だからってハネにされることなんてないのに
あたしから向かっていけばよかったのに
あたしは一人を選んだ。
「おい、東条!」
「ッッ……はい……っ」
「なぁお前さ、あたしにまた蹴られるのとあたしの仲間になって委員長をいじめるのどっちがいい?」
「えッッ……!?そんな……っ」
「どっちだよ、はっきりしろ」
みんな心配そうな瞳で見守っている。
東条さんには彼女を蔑む瞳に見えたかもしれない。
東条さんはその場から逃げ出した。


