「それじゃ、ホームルームを終わりましょう。当番、号令をかけてください。」
「きりーつ、きをつけー、れーい」
「「ありがとうございましたー」」
あたしは怒られるって!と思った。
だって、あまりにも気の抜けた挨拶だったから。
あたしは身構えた。
でも先生は「はい、ありがとうございました」と言って教室を出た。
そっか。
そうだよね。
あたしが通ってた学校ぐらいだよね。こんなことで怒られるの。
「福原さーんっ、あたしのなまえはね!」
「福原っ!俺は……」
「ねぇねぇ、前の学校はどんなところだったの?」
「この学校のことでわかんないことがあったらいってね!」
わぁわぁと喋りかけてきた。
すると、このクラスのリーダー格っぽい子が、
「みんな~!福原さんのために学校案内しよーっ」
と叫んだ。
すると、みんなしーんとなった。
あたしにはクラスの雰囲気が一瞬変わったように思えた。
「そうだね、そうしよう!」
誰かの一言でその雰囲気は一気にもとに戻った。