そうおもったあたしはもう、なにも怖くなかった。
「……お父さん」
「なんだ」
「お父さんはさ、あたしのこと本気で考えたこと、ある?」
「な、何を言ってるんだ!いつもいつも考えているから仕事をしているんだろう!バカなことを言うなッ」
お父さんが早口でまくしたてた。
「……嘘だ。嘘に決まってるっ!!お父さんはあたしやお母さんのことなにもわかってない!自分の好きなように、勝手に生きてるだけじゃないっ」
夢中で叫んでいた。
先生は言葉も出せず固まっていた。
お父さんも黙っていた。
あたしはなおも続けた。
「お父さんはっ、自分の政治家としての評判しか考えてない!!だから、あたしも反発してくなったのっ!!」
なんと大胆な言葉だろう。
反発したくなったなんて、今まで思ったこともなかった。


