清美さんはあたしの部屋に来た。
「これをお嬢様に差し上げようと思ってやってまいりました。」
「えっ……!?でもこれは清美さんがいつもつけてたペンダントじゃ……!」
「いいのです。お嬢様、これを私だと思って大切にしてくださいね。」
ザワッと胸騒ぎがした。
なんだか急に清美さんが消えてしまうような、
あたしには届かない場所に行ってしまうような。
そんなどうしようもない不安感があたしを襲った。
「では、おやすみなさい」
「おやすみ……」
あたしは笑顔でお休みをいうこともできずボォッとしていた。
あたしと清美さんの会話がこれが最後だった。


