次の日。
黒髪を金髪に染めに美容院へ行った。
行きつけの美容院だったから、美容師さんが、
「いいの?あんなにきれいな黒髪だったのに……」
と残念そうに聞いてきた。
あたしの黒髪はそのころから腰まであった。
小さい頃、ううん本当につい最近まではこの髪が大好きだった。
次に好きだったのは学校。
少しだけ家より落ちつけたんだ。
この学校と同じくらいエリート校だったけど、この学校と違って校則が厳しかった。
髪は黒髪。
スカートはひざ下。
ローファー、スクバも学校指定。
息がつまりそうだった。
友達も多くて、先生もあたしには優しかったけどつまらなかった。
その次の日。
あたしは学校指定とは違う革のスクバを買った。
なんだか一流のデザイナーがデザインしたものよりずっと可愛く魅力的に見えて、
これを持ったらあたしもこんな風になれるんだって胸がどきどきした。
次は靴。
最初はローファーにしようって考えてたけど、
靴ってローファーやパンプス、ブーツだけじゃない。
サンダルとかスニーカーとかたくさんの種類があるんだ。
あたしはそれさえ知らなかった。
迷わずピンクのスニーカーを買った。
家に帰ると絶対怒られると思ったからついでに黒髪のカツラも買った。
あたしは黒髪のカツラをつけ、家へ帰った。


