中学校の頃。

あたし、麗は学校から家に帰った。


親が大喧嘩していた。

「~~!!」

「~~~~~!!!!」


なにか叫んでいるのが聞こえたけど「ただいまー」と少し小さめの声でいって、

自分の部屋に向かった。


ガチャンッッ!!




ちょっと音がヤバいような。

降りてみるか。



下へ降りると頭から少し血を流しているお母さんが目にとまった。

「!? お母さんっ!?お母さん!しっかりして!」

「うぅ……っ。麗……?」

「今救急車呼ぶからね。動いちゃだめだよ。」


あたしは電話をかけようと電話に手を伸ばした。すると、

「ダメッッ!救急車はダメっ!!」

「どうして!?お母さん、血が出てるよ!?」


「麗、うちは、お父さんが議員でしょ?こんなことで救急車なんて呼んだらお父さんは総理大臣になれなくなるわ。」


……

そんな理由で、お母さんをほっとけって言うの?

「お父さんは!?どこ行ったの!?」

「仕事に行ってくるってさっき出てったわ。」


こんなお母さんを置いて?

あり得ない。

たぶんお母さんが頭から血を流してるのを見て、怖くなったんだ。


警察を呼ぶかもしれないって。