次の日。
ガラッ
「みなさん、ごき……」
あたしの挨拶は途中で途切れた。
教室の真ん中で
アイツは金髪を揺らして
クラスメートをけっていたから。
その子をけるぼこっという音が響く。
周りには顔を覆って泣く子もいる。
顔をそむけることしかできない。
あたしはササっと目立たないように席に着き、隣の子に聞いた。
「ねぇ、アレ……どうしたの?」
「……福原さんがね」
その子が小さい声で話してくれた。
今蹴られている子は福原に「その服、ちょっと直したほうがよくないですか?」と言ったらしい。
次の瞬間福原はその子の足に自分の足を引っ掛けて倒したそうだ。
それから、今の状況が始まった……。
ばんっっっ!!
机をたたくすさまじい音。
「ねーちょっとお前らさ!!!!!」
みんなびくっとして福原のほうを見た。
「コイツ!むかつかないの!?ここの校風が自由だから入ってやったのにさ!!コイツえらそうに!」
入って「やった」……
総理大臣の娘はこの有名な女子校に入って「あげた」なんて言えるのか……。
落ちた子だってたくさんいるのに、編入で(いや、編入じゃなくて金かな)受かったひとがそんなこと言うなんて許せないよ……
でもあたしにはそんなこと言う勇気なんてなかった。


