福原はこっちを見て少し目を丸くすると、 「地味子が色気づいてる!キッモ~!!」 と叫んだ。 さっきあたしにあいさつした奴らは一瞬で優勢な立場が福原に変わったことを察知したみたいで、作った笑い声を上げ始めた。 「きゃははは……」 あたしは負けない。 笑われたって、泣かない。 そう決めたから。 後輩は「先輩、似合いますよ♪」といってくれたが、 その後輩も実は福原側の人間だということも知っている。 どうせ、あたしに近づいて油断させて……という魂胆だろう。 見え見えだ。