それは今年の夏休み明け、9月1日のことだった。


いつものように始業式を済ませ教室にもどると、もう先生は教室にいて。


「みなさん、早く席についてください。今日は転校生の方を紹介します。」


「転校生!?」「ホントに!?」「やった♪」


「みなさん、お静かに。それでは、どうぞ」


ガラっ……


えっ……


みんな言葉を失った。


あたしたちはみんな黒髪でおさげ、三つあみにしているのが普通。

なのに、『そいつ』は金髪の髪を結ばずに腰まで垂らしていた。

制服って着崩している。


校則がないからって限度ってものがあるでしょ。


それが第1印象。



「ちわ。福原 麗です。今の総理大臣の娘です。以上。先生、席どこ?」

「あっ、あちらの空席ですよ。」

「はーーい」

間延びした返事。


カツカツ……


福原はハイヒールを履いていた。

みんなは唖然とするばかり。


あたしの隣じゃなくてホントーによかった。