放課後。

あたしと福原二人っきりで屋上に行った。


突き落とされるかもしれない。

殺されるかもしれない。


そんな恐怖を抱えながらあたしは福原がしゃべり始めるのを待った。



「~~~っっ!!!」


えっ?


福原はいきなり泣き始めた。


「えっ?麗!?」

あっ。思わず名前で呼んでしまった……殴られる?


「ごめん、ごめんね、美歌子……。」

「えっ……?」


福原はそれから喋らずにずっと泣き続けていた。


「……はぁ。ごめんね、美歌子。」

「ううん、もういいよっ……」

「前みたいに仲良くしてくれる?」

「うん!もちろん!!!」


よかった。


あたしは差し出された手を握った。

「ッいたっ!!」


「あははははっ、引っかかったー♪バッカじゃねーの?」

福原は右手を見せた。

そこには画鋲が握手したときに針が相手の手に刺さる向きで貼ってあった。


自分の手を見ると、小さい穴から血が出ている。

「麗……」

「麗?麗なんて呼ばないでよ、気持ち悪い。寒気がする!」