自動販売機。

コーラを買って教室に戻った。

チャイムが鳴るぎりぎりだ。


「買ってきました。」

「フン。ま、今はこのくらいでいいけど、放課後、覚悟しとけよ?」

「……はい」

「じゃ席戻れよ」


みんなを見ると「お・つ・か・れ」と口パクで言ってくれた。

海崎さんは「あ・い・つ・ちょ・う・う・ざ・い」まで付け足して。


それに少し微笑んで席に着いた。



授業中ずっとあたしは考えていた。


福原はあたしを最初から裏切るつもりだったのだろうか。

あたしが傷つくとわかって仲良くしたの?

「麗」って初めて呼んだときの笑顔も嘘?


分からない、わからないよ……。



出そうになった涙を懸命にこらえながら授業が終わるのを待った。