いじめ ~憎しみのループ~

ちらっと海崎さんのほうを見た。

「うまくやってくださいね!」と目が言っている。

あたしは静かにうなずくと、麗のもとに走った。


「でさー、いじめるのはさ……」

ごくっとつばを飲み込んだ。


「……って思ったんだけど、やっぱりやめようと思って。」

「えっ?どうして?」

「実は……さ、あたしもいじめられたことあるんだ」

「……」

「その時のこと思い出しちゃって。だから、もうやめ。いいよね?」

「もちろん♪」


心がふわっと軽くなった。

罪悪感と自己嫌悪の沼から這い上がれた気分だった。