いじめ ~憎しみのループ~


ガラッ

「おはよう……」

昨日寝不足なせいか頭がぼーっとしている。



あたしが教室に入るとクラスの全員が集まっていた。


「あ、おはよう」

「おはよー」

「おはよっ」


「……及川さん、それでね昨日のメールのことなんだけど……」

「うん、あたしも親友になろうって言われたよ。みんなもなの?」

「……」


しばらくの沈黙の後、海崎さんが口を開いた。

「さっきからずっとみんなに聞いてるんですけど、やっぱり福原は全員に言ってるんです」


すると、誰かが口を開いた。

「ねぇ、このことって本人に問い詰めたほうがいいのかな?」

「あたしもそれ思った!!」


海崎さんは「ちょっと待ってください!」と叫んだ。

「あいつには言わずにこのまま気付かないふりをしておきましょう。そして、みんなで弱点をつかんで週1で情報交換して、チャンスが来たら今まで振り回された仕返しをしましょう。」

「……いいねっ、それ!」

「うん!やろうやろう!」

「でも、チャンスっていつ?」

「チャンスは福原の父親が総理大臣を辞めた瞬間からです。昨日ニュースを見ると、支持率がとても低下していたので大丈夫です。もうすぐ辞任になります。」

「やったぁーー!!」