「みーんな?どうしたの?」


「……〝あいつ〟。元委員長が……転校したって。」


それを聞くと福原はにやぁっと笑った。


「ふーん?じゃぁさ、「代わり」見つけなきゃ、ね?」



「いやっ!あたしは……いやッッ!!」

「これあげるから、友達でいて?」

「お願い……!!!!!!」


みんながこれをあげる、これをあげるって叫び始めた。


「美歌子?」

「えっ、麗……」

「ちょっと、こっちきて?」


あたしは廊下へ連れ出された。


「……美歌子、あたしの親友になって?」

「えっ?」

「だってさ、さっきこれあげるって言わなかったの美歌子だけじゃん。あたしは物で釣られるような女じゃないのッ!」

少しおどけた調子で麗がそういうから思わず笑ってしまった。


「もぉ、笑わないで!美歌子、いいでしょ?」


あたしは

「うん」

とうなずいた。


これが悪夢の始まりだったのに……