ピッ、ピッ、ピッ……
教室には二人のケータイの音しかしていなかった。
隣のクラスからは話し声。
隣のクラスがとてもうらやましい。
「よーし、おっけー☆じゃぁ、春美っ、あたしのことは麗でいいから!!」
「うん……分かった……麗。」
みんなが福原の仲間になろうとしていた。
海崎さんの扱い。
いじめられるよりあっちのほうがずっと、ずっといい。
あたしも向こうに入ろうと思った。
憎いけど、いじめられるよりはいい。
苦渋の決断だけど、
卑怯な決断だけど、
あたしは向こうサイドにつくことを考えた。
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