あのまま家は家具もろとも差し押さえられ
あたしに残ったのは、家族のアルバムと多額の借金だけだった...
「これじゃあ、おばあちゃんとおじいちゃんのお墓を建てられないね...」
一文無しになり、今まで育ててくれたおばあちゃんやおじいちゃんにお礼も出来ず、ただ身に覚えの無い借金をコツコツと返すだけの人生
こんな人生、精一杯生きていく価値なんてあんのかな?
ふとそう思った瞬間、目にはいったのはガラスの破片...
いつの間にか家が壊されていて、おばあちゃんやおじいちゃんとの思い出が崩れ去っていくようだった...
それなのに涙は出なくて、自然と首筋に突き刺していたガラスの破片の痛さもきずかず、あたしはただ自分の血を見て微笑むことしか出来なかった...

