誰だろう?
あんな男子のうちのクラスにいたっけ?
そんなことを考えていると女友達たちに声をかけられた。
「りさ大丈夫?」
「うん、平気。それよりあんな男子うちのクラスにいたっけ?」
あたしがそう聞くと隣にいた祥が「お前同じクラスのやつの名前も知らないの?」と呆れ顔で言ってきた。
すると女友達たちが「しょーがないよ。あいつ地味だしね〜」と苦笑いをした。
「あいつは確か…。そう、芹沢勇気?だったかな。」
芹沢勇気…。
あんな地味な男子うちのクラスにいたのか。
「芹沢って本当地味だよね〜。ほとんど喋んないしさ〜。」
「そうなの?」
「うん、てかうち、今日初めて声聞いたかも?!」「え、マジ〜?」
「おい、お前らクラスメイトのことそんな風にいうなよ。」
祥が女の子たちを柔らかくなだめた。
「あ、そうだよね。ごめん…。」
「ま、まぁそれぐらいにしてそろそろ席座らない?」
あたしがそう言うと皆はっとして慌てて席についた。
あたしと祥も自分の席についた。