「もぉ。逞!また授業中寝てるし・・・。」
繭は相変わらずかわいい。今は授業中。
「あっ。うん。まぁ。寝てた。」
「もぉ!」
繭め。俺と話していたら、また先生に当てられるぞ。
『こら!種田。種田繭!』
ほらきた。俺は繭にそっと紙を渡した。
「えっと。飛鳥は言いました。私がここの支配者であり、わが国を守るものだ。と」
繭は棒読み。しかも紙ちゃっかり持っちゃってるし・・・。
『よくできたな。垣ノ内。』
やっぱり先生は分かってたか。。。。
まぁ。ドンマイ。繭。
あっ。言い忘れてたけど、俺は垣ノ内逞!
それで繭。種田繭。俺の彼女。←彼女暦7年。
『でも種田ぁ~。受験は一人でやるんだぞぉ。』
先生のお説教だ。がんばれ繭!
俺と繭は出会ってから7年間ずっと学校が一緒だ。
だから、俺たちは「幼いカップル」そんなことを言われてる。
昔からそうだ。
俺たちにはそんな敗れない絆があると思っている。
だけど、やっぱり俺たちにはタイムリミットがあるというものだ。
俺は繭が好き。それはだれにも変えられる権利なんてどこにもない。
俺たちは、もうそんなに幼くないんだ。
一人でいきていったって繭と同居したってそんなのもう出来る年になったんだ。


そしてしなぬまま受験。
俺と繭は全く正反対の受験場所をうけようとしていた。
だけど運悪く俺の親が繭んちの親に話しちまった。
まぁ。繭が行きたいとどんなにねがっても繭がいけるところじゃないのは確か。
学力だって、トップクラスだ。
そんな所に繭が足を踏み入れられるわけがない。
そんなことを想定していたら案の定。
「繭だって行きたい。逞と同じ高校うけます!!」
そんないいきっていちゃって。
「無理だよ!繭。自分のレベルを知って」
俺はクスクスと笑いながら、そうやって、繭を馬鹿にした。
でもそれが、馬鹿にしてはいけないことだと今気づかされた。