【逞said】

僕の命はもうそんなに長くはない。
だから今を生きよう。今を生きて、今だけを大切にしていこう。
僕はもう傷つけたりはしない。好きな人を、どこまでも愛することにする。
ただそれだけの人生さ。

「逞!もう遅い!ドンだけ待たしてるのぉ?」
俺の彼女。繭。繭は小さいときから、病院で、俺の看病を、医者の息子としてやっていた。
そこから恋につながった。俺の初恋の彼女だ。
「ごめん。繭。でも、また退院したよ!」
「もう。何回退院繰り返してんのよぉ。お父さん。なんだって?」
そう。繭のお父さんは、俺が小さいときから、今までずっと俺たちを見てくれた人だ。
「もういきなり走ったり発作をおこすようなことはするなよ。だって。」
「そっかぁ。逞ももう走ったりすることが出来ないんだぁ。」
繭。。。。そんな悲しい顔すんなよ。
俺ももう命が危ないと宣告された日に、だんだんとちかづいていた。

「逞!逞!」
ある日俺は、突然倒れた。
息も出来ず、ただひたすら、かすかにしか取り込めない空気を、必死に吸っていた。
病院に着いたとき、もう死ぬ間際だった俺を、繭のお父さんが、助けてくれた。
今では命の恩人だ。だけどある日俺は聞いてしまった。
『逞君は、長く生きれて、あと20まで生きれるかどうか・・・・。』
それを聞いたとたん、俺はどうすることも出来ずそこに立ち尽くしていた。
ないている母さん。それをどうすることも出来ないような目でみる父さん。
はっきり言って俺も見ていられない状態になった。
そのとき、隣で、なく声が聞こえた。
繭だった。
そのとき俺たちは、8歳。俺は生きれてあと12歳だ。
俺はそのとき思った。
僕の初恋は。。。。いや言い換えそう。
『僕たちの初恋にはタイムリミットがある。』
時はすぎもういつの間にか時は8歳から7年もたっていた。