難しく考えるのを止めた。
どうしようもないよね。
だから、アタシは待つ事にした。
目の前の通路…その、進むのを止めた方の廊下に背を向けようとした。
その瞬間、少しの気配と暗闇から黒いたくさんの何かがアタシに向かって来た。
咄嗟に剣を振り下ろした。
間に合わなかったものは、アリスがダンジョンに入る前にかけていてくれていた、魔法反射と物理反射呪文のお陰でソレを弾き返した。
前を見据え、剣を一振りした。
そして通路の先に向かって必殺技(スキル)を放った。
キィィンと甲高い音がして、剣は弾かれた。
もう一発…!
剣を高くかざした。
「…キアロ?」
不意に懐かしい声がして、高く構えた剣を下ろした。
「…ア、アリス?」
びっくりしながらも声の主の名前を言うと、暗闇からスミレ色の髪をした呪術士がゆっくりと現れた。
向こうも構えていたままの杖を下ろして、戦闘態勢を解いた。
「あらヤダ…!本当に貴方だったの!?」
びっくりした顔でアタシの側までやってきた。
アタシはただ呆然と近付くアリスを見つめるしかなかった。
「ほ…本当にアリスなの…?」
ついでに指を差しながら少し後退りしてしまった。
「…あのね、どこが私じゃないっていうの?」
いつもの調子、いつもの仕草で答えた。
「いや…なんか、知らないナンカかと思った…。」
「…?」
アリスは首を傾けた。
それを見て、ディスプレイの前に座るアタシの視界が涙で霞んだ。
どうしようもないよね。
だから、アタシは待つ事にした。
目の前の通路…その、進むのを止めた方の廊下に背を向けようとした。
その瞬間、少しの気配と暗闇から黒いたくさんの何かがアタシに向かって来た。
咄嗟に剣を振り下ろした。
間に合わなかったものは、アリスがダンジョンに入る前にかけていてくれていた、魔法反射と物理反射呪文のお陰でソレを弾き返した。
前を見据え、剣を一振りした。
そして通路の先に向かって必殺技(スキル)を放った。
キィィンと甲高い音がして、剣は弾かれた。
もう一発…!
剣を高くかざした。
「…キアロ?」
不意に懐かしい声がして、高く構えた剣を下ろした。
「…ア、アリス?」
びっくりしながらも声の主の名前を言うと、暗闇からスミレ色の髪をした呪術士がゆっくりと現れた。
向こうも構えていたままの杖を下ろして、戦闘態勢を解いた。
「あらヤダ…!本当に貴方だったの!?」
びっくりした顔でアタシの側までやってきた。
アタシはただ呆然と近付くアリスを見つめるしかなかった。
「ほ…本当にアリスなの…?」
ついでに指を差しながら少し後退りしてしまった。
「…あのね、どこが私じゃないっていうの?」
いつもの調子、いつもの仕草で答えた。
「いや…なんか、知らないナンカかと思った…。」
「…?」
アリスは首を傾けた。
それを見て、ディスプレイの前に座るアタシの視界が涙で霞んだ。


