ACcess -弥猛-

アイテムを使って地上へ戻るとか、誰かに連絡しなきゃとか…そんな事も考えなかった。

「今来た道をお戻りなさい。」

だって、そう彼女は言ったから。

でも、それが引っ掛かっていた。

誰かに連絡をとか、今すぐここから離れなさいとか…きっとアリスだから次にする行動や、最善の策を言うと…思う。

戻った先に何があるの?

とにかく彼女を信じるしか、今は道がない。

あの階段まで…キアロ、早く!


何度も角を曲がり、ようやく階段まで帰ってきた。

光が暗い廊下に向けて漏れている。
「…階段。」

アタシは光の差す方に引き寄せられる。

あの先はアリスが止めようと言った、反対側の通路…。
ふと思った。

この先は何があるの…?

「そんな気がするから。」

そう言ったアリス…。

暗闇に消えたアリス…。

彼女が傍に居なくて恐怖を感じる。

なんだか、この感じ…久しぶり。
彼女に出会った当初、たまに一人にされると不安がよぎっていたけど…。

もう、そんな初心者(ビギナー)でもない。