その装備の名のとおり。
彼女はジャンヌ・ダルクのように。

私がデザインした。
貴方に似合うように。貴方の為に。

剣もそれに合わせ、可愛くデザインした。

ピンクの刀身は多分、私の知る限りこの世界にない。

私と並べるように、せっせと全てのレベルを上げた貴方にご褒美のつもりで。

そして彼女は最高の騎士となった。


キアロは飛び下りると、私の方にクルリと振り返った。
「はーやく!置いてくよ。」
「…はいはい。」
「ハイは一回なんだよー。」
「はいはい。」
「うわっ!反抗期!」
「キアロほどじゃないわよ。」

マジックビールを全て飲み干し、酒樽の上にジョッキを乗せる。

ニコリと笑った後、ヒラリと裾をなびかせキアロの後を追う。

そうだ。私も彼女と同じぐらいにこの装備にしたな。

自分の名前にあやかり、不思議の国のアリスをイメージして。

紫は神秘的な色。
それに私の好きな色だし。

呪術士には見えない呪術士を目指したらこうなっただけ…というのもあった。
まぁ、他にも理由はあるけど。

でも結局お伽話の綺麗な国ではなく、砂埃の舞う酒場でマジックビールを飲んでいるが。


私達は歩き出した。

これからも何度も思い出そう。
貴方との大切な出会いを。
思い出を。