彼女とはどれくらい一緒なんだろう。
二年?いや、そんなに長くはないわね。一年半ぐらいかしら。

それでも全てが分かる訳じゃない。

でも、少しは知ったつもり。
知ってもらったつもり。

たくさんの時間や物、秘密を共有し、此処に至る。

きっとそれは、貴方が私の相棒だから。
私が貴方の相棒だから。

普通に生きていてもきっと交わる事はなかった。

突然訪れた始まりが、ここまで紡がれた。

これは何なのか。
誰か答えを知ってる?


私はキアロに聞いてみた。
「久々に二人でヘリオトープに行ってみる?」
「いいわよ。
 …ただ、みんなに変な事聞かないでよね!」
「フフっ。それは保証しかねます!」
「んもぅ!
 ダメだからねーっ。じゃあ行くよっ!」

キアロは少し反動を付けて勢いよく酒樽から飛び下りた。

ガシャン、と肩や腰の甲冑がぶつかり合う音がした。

胴と腰のセットとして作られた防具。
紫と赤を基調とした色のお陰で、中世を思わせる騎士は可愛く見えた。

それに答えるように、彼女はただ真っ直ぐ、彼女の信念の元に動いていた。

まるで正義の味方のようだった。