「お前の姫様は…“気に病むな”と言ったのだろ? そんなことを仰る姫様を愛し…今でも姫様を想っている男がお前を責める訳がないだろう?」

『ですが…』

「会ってきなさい」

意志が宿る強い目が私の背中を強く押した。

『…』

「話してきなさい」




もう一度…
桜に目を向けると


桜が優しい風に揺られ、
花びらが私を勇気づけるように散る




『はい』




巧哉様…
この五年間どのような事を想い、見てこられましたか?