巧哉様は何故かおかしそうに肩を震わして笑い出す。 『何がそんなにおかしいのですか? この国の姫がそんなことを言うなんて、と思わないのですか?』 「いえ…正直だと思います。そうですね、見たこともないモノを守ろうなんて思えるはずが無い」 うんうん、と一人で納得しながら庭を歩く後ろ姿を見て 『変な御方』 と呟くとくるりと振り返り、いきなり笑顔で 「やっと笑ってくれました」 と言う。 驚いて自分の頬を触ると巧哉様は嬉しそうに 「外の話…聞きたいですか?」 と私に問うた。