もう駄目だと力が抜けそうになった時、突然鞄を奪おうとしていた生徒が屋上の端まで吹き飛んだ。
「うわっ!」
夢が慌てて振り返ると、背の高い一人の生徒が立っていた。
吹き飛ぶ瞬間にガッて鈍い音が聞こえたから、この人が殴り飛ばしたんだ。
背が高く、端正で綺麗な顔立ち。髪は短いが、サラサラと風に揺れている。
真っ白な制服がとても似合っていて、胸にはクローバーのピンズを付けていて、とにかく綺麗だった。思わず見とれてしまう。