愛花はふと
何かを思い出したように
学校祭のための道具が入っている
大きな袋に手を伸ばした。


「衣装
 持ってきちゃった。

 アタシのと
 愛里のやつ。」


そう言って取り出したのは
真っ白なドレス。


所々刺繍が入ってて
背中には
針金と厚紙と綿で作った
小さな羽がついていた。



着てみよ、と愛花は笑い
私にそれを手渡した。