「……王子様?」 青年は訝しげに反芻する。 それを見て、『しまった』と彼女は焦った。 取って付けたように続ける。 「あっ、――あの、変ですよね。子供っぽいって思われました、よね」 「え、いや……別に」 「……。 ――ばかみたいって思われるかもしれないけど。 わたしの夢、お姫様になることなんです」