金木犀と百合水仙 ~ Fragrant olive × Alstroemeria




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「ねぇ、君。君はいつもその花を飾るんだね」


通りすがりの青年が尋ねた……――彼女は微笑みかえす。
とある海辺の教会でのこと。

たった今、いつものように金木犀を花瓶にさそうとしていた。