「ああ、今度埋め合わせするから。うん、じゃあ」 通話を、切る。 「どうしたんだよ、飯岡」 「わたし、あなたのみんなにやさしいところが好きと言ったけど」 自分のローファーの爪先を見下ろす。 何年も履いているけれど、まだはげたところのないことが自慢だった。 「やっぱり、嫌いかもしれないわ。あなたのそういうところ」