「ここ、出ましょうか」 「本、買わなくていいのかよ」 「もう、必要ないわ」 わたしはそう答えると、槙が何かを言うより先に、自動ドアのほうへ向かって歩きだした。 さっさと店の外へ出ると、彼が後ろから、 「だから、飯岡は歩くの早いって」 と追いついてきた。