仮面舞踏会【短編二編】

(偽名をつかっていたなんて!きっと川島のような酷い男なんだわ)

里緒がそう考えながら困惑した表情でコーヒーを飲んでいると、

真奈美が戻って来た。

『紹介したい人がいるの・・・・・・高柳 佑さんよ』

『え?あの今人気のピアニストの・・・・・』

里緒は、本物の高柳佑を見て もう何が何だかわからなくなってしまった。

『あなたが里緒さんですね・・・・はじめまして!』

里緒の緊張した表情を見て、真奈美はおかしくて噴出してしまいそうになった。

すべてを聞き終えた里緒は、この奇跡のような出来事に驚いたが、

真奈美の幸せを自分のことのように喜んだ。

そしてようやく数日前、二人で占い師の所へ行ったときに

すれ違った男性が彼だったと気付いたのである。



その年の高柳のクリスマスリサイタルのチケットは発売後すぐに完売した。

そのステージで、彼が結婚を発表すると

二人の幸せそうな写真で飾られた表紙の週刊誌も、

一面を飾った新聞も飛ぶように売れた。

最高の幸せを掴んだ真奈美の微笑は、

誰よりも自信に満ち溢れて美しく 輝いていたのです。

薬など飲まなくても美しくなる方法は心から自分に自信を持つこと!

そうすれば誰よりも輝いた女性になれるのです。