仮面舞踏会【短編二編】

真奈美は、ただただ涙が溢れるばかりで言葉に出来ないたくさんの想いを、

どう話せばいいのかわからなかった。

高柳はハンカチを差し出すと全てを話してくれた。

『僕のパソコンに、送りたい書類があったので送信した先が真奈美さんでした。

アドレスのyou1129@までが同じだという偶然に驚いていたら、

その後のメールで真奈美さんの名前を見て、もっと驚きました。

メールを交換するたびに、僕はどうしても その人に会ってみたくなったのです。

そして、会うことになったとき、同姓同名の別人だと思っていました。 

でもアドレスの1129という数字を見ていたら 

本当に君かもしれないと期待と不安でいっぱいになってしまった。

そんなときに、あの占い師をたまたま見つけたのです。

あの不思議な薬を使って 僕は高柳 佑ではなく、

市ノ瀬優樹になりすましたのです。

アドレスの1129・・・・・

僕の誕生日を憶えていてくれてありがとう。』

真奈美は鼻をすすりながら

『あなたのことは・・・・・永遠の片想いであって、

それは手の届かない憧れとして忘れることはありませんでした。

実は一昨日、この曲を初めて聴いたとき 隠し事をしていることが後ろめたくなって

あの メールを出しました。

今考えると、確かに市ノ瀬さんには高柳さんと共通するところがって、

会ったこともない人なのに 魅かれたのもそのせいかもしれません。

でもまさか市ノ瀬さんが高柳さんだったなんて!!

もしかして不思議な繋がりが あったのかもしれませんね・・・・・・』

夜が深まるほど 二人の会話は尽きることなく続いた・・・・・・・・。