仮面舞踏会【短編二編】

市ノ瀬は真奈美の姿を見ると驚いて動きが止まってしまった。

『あの・・・私 真奈美です。この姿が本当の私の姿なのです。

今まで隠していてごめんなさい。

信じてもらえないかもしれませんが今から全てをお話します。』

市ノ瀬は言葉も出てこなかった。

(やっぱり私の姿を見てがっかりしたんだわ)

真奈美は、どう話せばいいかわからなくなってしまった。

『本物の・・・・真奈美さん?』

真奈美は自信なさそうにうつむいて頷いた。

『あの・・・正直言って とても驚いています・・・・

説明しなければいけないのは僕のほうなのですよ』

(えっ?どういうこと?)

『実は僕も、あなたに嘘をついています。それも重大な嘘・・・・・・・』

真奈美は わけがわからないという表情で顔を上げた。

市ノ瀬は 胸ポケットから小さな透明の袋を出して 真奈美の前にそっと置いた。

『もしかして・・・これに見憶えがありますか?』

袋の中には 青い小さな錠剤が入っていた。