仮面舞踏会【短編二編】

その夜の出来事のひとつひとつを里緒に話して聞かせた。

こんなにはしゃいでいる真奈美を久しぶりに見た里緒は、

自分のことのように喜んだが、ひとつだけ気にかかることがある。

今の真奈美に必要なのは自信を持って 人も自分も愛することだ。

真奈美は、市ノ瀬と頻繁に連絡を取った。

忙しいせいか会えない日が続くことも多かったが、毎日が充実していた。

そんなある日曜日の午後

真奈美がリビングで寛いでいると里緒が忙しそうに出かける支度をしていた。

『今日は市ノ瀬さんに会わないの?』

『ええ 仕事らしいの。』

『ここ最近会っていないわね。いったい彼はどんな仕事をしているの?』

『わからないわ 』

『恋人の仕事もわからないの?』

『恋人じゃないからわからないの!何だか彼・・・・

一緒に話しているときは楽しそうなんだけど、

私のこと・・・・ただの友人としか思っていない気がする』

『え?本当のことを話したの?』

真奈美は、小さな薬の袋を翳しながら首を振った。

『今の真奈美に靡かないなら、きっと内面を重視するタイプなのよ!

きっと誠実で真面目なんだわ!だから、

はやく本当のこと話したほうがいいと思う・・・・

薬に頼らないと続かない愛なんて変だよ』

『わかってる・・・・』

それだけ言うと、里緒は出かけて行った。