仮面舞踏会【短編二編】

真奈美は、出かける前にもう一度鏡を見た

眩いほど美しい自分が映っている。

この姿が本当の自分なら・・・今ほど強く願ったことはなかった。

もしかしたら、この姿で会えばもっと傷つくだろう・・・

ありのままの自分で会うことが一番いいはずなのだ

分かっているのに薬を飲まずにはいられない自分が情けなかった。



そのレストランはビルとビルに挟まれたスクウェアの一角にあった。

夜になると木々にイルミネーションが電灯して

行き交う恋人たちの心を華やかにしてくれる。

真奈美は、シンプルな白いブラウスに上下グレーのスーツを着ていた。

細身の真奈美にはよく似合う。

”シンプルな服ほど、着ている人を引き立たせる” 

よく里緒が言っていた。

店先のショーウィンドウに映る真奈美の姿を見ると、

なるほど里緒の言葉は正しいかもしれない。

誰もが彼女の姿を見て振り返る。

真奈美は、店に入ると受付へ行った。