仮面舞踏会【短編二編】

『本当の私は、容姿は冴えなくて男性とお付き合いしたこともなくて、

いつも下を向いて歩いている。

でも、不思議なことが起きて、ある朝目覚めたら綺麗になっていた。

あなたの見ていた真奈美は、その綺麗なほうの私だったのです。

あの海に、連れていってくれたこと。

あんな素敵なデートは生まれて初めてでした。

本当にいい思い出に・・・』

『やめてください!!』

川島は真奈美の言葉を遮った。

『僕の好きになった真奈美さんは、

あなたとは似ても似つかない美しい女性だ!!

里緒さん!パリコレの話はなかったことにしましょう・・・・・・・失礼』

それだけ言うと、さっさとその場から去ってしまった。

真奈美がその場に座りこんでしまうと、

里緒はどうしていいかわからなくなった。

『ごめん・・・・本当にごめん』

『いいの・・・・私だって彼の表面だけを見ていたのかもしれないわ』

そう言うと真奈美は、ゆっくり立ち上がり鍵を開けて

自分の部屋に閉じこもってしまった。

里緒が真奈美の部屋のドアの前に立つと、微かに泣き声が聞こえた。