仮面舞踏会【短編二編】

占い師は真奈美のほうを向いて言う。

『それから・・・好きな人に、気持ちを伝えてみなさい。』

占い師は、そう言うと薬が30錠入った小さな袋を、真奈美に渡した。

『いいですか?その美しい心は、誰にも負けないほど綺麗なのですから、

あなたの心を見てくれる男性を選びなさい。

自信を持てば自然と表情に表れるはずです。

あなたの心を見てくれる男性なら、それに気が付くはず』

二人は、占い師に1000円ずつ払い、お礼を言うと袋小路を背に歩きだした。

背の高いしなやかな髪の男性とすれ違うと、

里緒は振り返った。人目を引くその男性は占い師に話しかけて椅子に座った。

『どうしたの?』

真奈美が立ち止まった里緒に訊いた。

『うん・・・あの人だけど、どこかで見たような人だと思って』

『誰かと似ているんじゃないの?』

『そうね・・・』

二人は再び歩きだした。