仮面舞踏会【短編二編】

『市ノ瀬さんには、あなたに成りすまして私が勝手にメールをだしたの・・・・』

『なんて書いて出したの?』

真奈美が少し怒ったように訊いた!

『好きな人が出来たから、もうメールはやめましょう・・・って』

今では川島のことも大好きだし里緒のことも信じたい。

でも里緒自身が言っているのだ。真奈美は夢ならどんなにいいかと願った。

『ごめんなさい・・・・

自分のことばかり考えて友達を裏切るなんて最低だよね・・・・

真奈美が綺麗になったとき、羨ましかった。

私もあの薬を飲みたくてたまらなくなったの・・・・

でも結果は、まったく逆だった。この醜い姿が本当の自分の姿だと知って恥ずかしい』

里緒は何度も何度も頭を下げた。

その瞳から零れ落ちた涙とともに里緒の姿が少しずつもとの姿に変わっていった。

真奈美はもとにもどっていく里緒の姿を見て、

彼女が心から反省しているのがわかった。

『もう・・・いいよ。その気持ち・・・忘れないで・・・・』

そう言うとバックから小さな鏡を取りだして里緒に見せた。

しかし止めどなく溢れてくる涙で、もう言葉も出なかった。

占い師が窘めるように言う。

『心が浄化されたようですね。

今のあなたなら、この薬を飲んでも大丈夫でしょう。

いいですか?

他人に対して言った言葉や行動は、必ずめぐり廻って自分に返ってきます。

だから、損とか得で他人を犠牲にしてはいけません』

『はい・・・・よくわかりました』

『心から反省したようですね。ところで この薬は、

一日しか効力がないことを お忘れですか?

どちらにしても明日には、醜い顔も元に戻っていたはずです。 

しかし今の気持ちを忘れてはいけません』

里緒は真奈美と顔を見合わせると、二人で微笑み合った。

そして、占い師の言葉を深く心に刻んだ。